ケーススタディ「Every HR Academy with 三菱電機様」 - 株式会社Every
「循環型デジタル・エンジニアリング企業」への変革を目指してー変化する人事部門の役割ー 三菱電機 x Every

(右から弊社松澤、川田様、小林様、弊社樋口)

重厚な技術力と幅広い事業領域で、日本の産業を牽引してきた三菱電機株式会社。近年では、「循環型デジタル・エンジニアリング企業」への変革を推進し、グローバル市場での更なる成長を目指されています。
この変革を支える人事戦略においても、「ありたい人財・組織・風土」の実現に向けた様々な取り組みが進められています。
その一環として、この度Everyがご提供したHRBP養成講座について、三菱電機株式会社 人事部門の川田様、小林様に、導入の背景、具体的な内容、そしてその効果について詳しくお話を伺いました。

グローバル競争が激化し、事業環境が大きく変化する中で、三菱電機様がどのような課題意識を持ち、人財育成を通じて組織変革を目指されているのか、ぜひご覧ください。

プロフィール

川田 陽子様

三菱電機株式会社 人財統括部 グローバル人財部
グローバルタレントマネジメントセンター
タレントデベロップメントグループ
グループマネージャー

小林 美彩 様

三菱電機株式会社 人財統括部 グローバル人財部
グローバルタレントマネジメントセンター
タレントデベロップメントグループ

インタビュアー

松澤 勝充

株式会社Every 代表取締役CEO


神奈川県出身1986年生まれ。青山学院大学卒業後、2009年 (株)トライアンフへ入社。2016年より、最年少執行役員として営業・マーケティング・採用の3部門を管轄。2018年8月渡米留学。帰国後2020年4月1日に株式会社Everyを設立。

採用や人材育成、評価制度など、企業の人事戦略・制度コンサルティングを行う傍ら、UC Berkeleyの上級教授と共同開発したプログラム(HRBP養成講座)で、「日本の人事が世界に目を向けるきっかけづくり」を展開している。

事業変革を導く、人事部門の新たなミッション
– 経営戦略と人財戦略 変革の狙い –

松澤

本日は、三菱電機様に導入いただきましたHRBP養成講座について、導入の背景から効果、今後の展望まで、詳しくお話を伺えればと思います。
まず、導入の背景についてお聞かせいただけますでしょうか。
御社の中期経営計画(引用:三菱電機の経営戦略2024/05/29)を拝見しますと、「循環型 デジタル・エンジニアリング」というキーワードが印象的で、グローバルにも広くビジネスを展開されていると認識しております。まずは、会社全体の戦略について簡単にご説明いただけますでしょうか。

川田様

はい、このプログラムをご相談した当時、当社はまさに「循環型 デジタル・エンジニアリング企業」への転換を打ち出した頃でした。
これまで、各製作所がそれぞれの事業を展開し、特にコンポーネントに強みを持っていましたが、今後は、お客様との様々な接点から得られる情報を集約し、そのデータを活用することで、よりお客様のニーズを先回りした提案を行うことを目指しています。
データとコンポーネントを循環させるビジネスモデルへの変革を進めているというのが、現在の経営戦略の大きな方向性です。

その後、「セレンディ」の公表もあり、徐々に進捗していると考えていますが、データ収集の方法など、まだ課題も残っており、試行錯誤しています。いかにこの新しいビジネスをスケールさせていくかが、経営面での大きな課題の一つとなっています。

松澤

ありがとうございます。
そうした経営戦略を踏まえ、人や組織の観点では、何か新しい取り組みをされているのでしょうか。
中期経営計画書の人財戦略の中でも、「人と組織が共に成長する最適な人財マネジメント」というビジョンを設定されていたかと思います。

川田様

はい。人財戦略も経営戦略との連動を念頭に見直しを始めていました。
循環型デジタル・エンジニアリングを実現するためには、これまでのビジネスのやり方を変革する必要があり、それは人財・組織・風土の面でも同様です。
弊社は従業員が連結ベースで約15万人、単独で3.5万人を超え(2024年3月末時点)、事業の多角化・グローバル化を進めています。そこで、「人的資本経営」という考え方に基づき、従業員を大切にする文化を強化しつつ、2024年度には人事処遇制度も改定しました。
具体的には、管理職以上はジョブ型、スタッフ層はメンバーシップ型というハイブリッド型の制度運用を始めています。
加えて、縦割りの事業運営からの脱却も課題の一つであり、グローバルな視点での人財ローテーション、事業本部を跨いだ異動を促進し、従業員のポテンシャルを最大限発揮する為の施策を展開しています。

小林様

私が入社したのは約2年前なのですが、川田が申し上げたように当時から組織改革の動きが進んでいました。
ですので、部門間の連携を促進すること、異動・配置に関しても戦略的かつ活発にしていこうという前向きな風土があったかと思います。

松澤

ありがとうございます。
組織全体として、イノベーションを加速させる取り組みを進めていると同時に、これまでの人財戦略を見直し時代の変化に合わせて新しい三菱電機様らしさを目指されているのですね。

多くの従業員、多岐にわたる拠点・部門を抱え、マトリックス型の組織構造になっている中で、人事組織はどのような役割を担っているのでしょうか。各拠点や事業部の人事の役割について、詳しくお聞かせいただけますか。

川田様

はい。まず弊社では、製作所やビジネスエリア/事業部ごとに人事担当者が配置されており、人事機能を担っています。

これまでは、戦略提言からオペレーションまで幅広い役割を担っていたのですが、ビジネスエリア/事業部ごとにビジネスが異なるため、組織ニーズも文化も異なります。ですので、それぞれの事業運営と一体となった人事施策提言の必要性が高まっていました

松澤

事業部ごとに優先順位や企業文化が異なるとのことですが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

川田様

例えば、インフラ性の高い公共ビジネスを中心に扱う事業では、クライアントの要望も必要なソリューションも非常に厳格です。
一方、家電製品などの量産系の製品を扱う事業分野では、ビジネスのスピード感がインフラとは異なりますし、それに伴って仕事の仕方も異なります。
同じ施策を提案するにしても、事業部によって進め方が異なる為、人事組織としても「人事がより一層経営のパートナーとなれる体制を構築していこう」と、オペレーション機能を本社に集約し、シェアードサービス化を進めてまいりました。
まだまだ発展途上ですが、近年徐々に体制が安定してきたという状況です。

松澤

つまり、これまで人事担当者はオペレーションと戦略的な提案の両方を担っていたのが、オペレーション機能のシェアードサービス化によって、より夫々のビジネス特性に合わせた貢献が求められるようになったということですね。
この方針転換は、いつ頃から本格的に始まったのでしょうか。

川田様

方針が決定したのは、おそらく2021年~2022年ごろからだと思います。

人事処遇制度の改定と並行して、急速にシェアードサービス化を進めてきました。現場の担当者からすると、急な変化に戸惑う声もあったかもしれません。

小林様

私が入社した当時、シェアードサービス化が進み、会社として連携を強化しようとする姿勢は感じられました。
ただ、組織が非常に大きいため情報の伝達浸透は簡単ではありませんし、事業部や製作所ごとに優先順位や企業文化が異なるため、全社的な整合性を取る難しさも感じています。
組織のカルチャーというより、組織規模の大きさに起因する課題が多いと感じました。

松澤

そうした取り組みを進める中で、人事担当者のケイパビリティ、能力的な側面において、理想と現実のギャップのようなものはありましたでしょうか

川田様

そうですね。オペレーション業務が集約されましたが、リスクマネジメントやより経営課題と連動した施策展開など、人事担当者に求められる範囲は変化しています。
従来のやり方が今後も通用するとは限らないという認識を持ち、人事担当者自身も、自身の役割を再定義する必要性を感じ始めていたと思います。

社内の慣習に捉われず、グローバルスタンダードな視点を
– HRBP養成講座 実施の背景 -

松澤

なるほど。そうした状況を踏まえ、改めてこの研修を実施するに至った背景についてお聞かせいただけますでしょうか。

川田様

はい。前述のような環境変化の中で、人事部門がより経営戦略や事業戦略と連動した施策を提言していく必要性を強く感じていました。
OJTだけでは十分なスキル習得は難しく、全員をカバーすることもできません。
そこで、中期的な期間の研修という手段を通じて、ビジネスに即した提言ができる人財育成を目指しました。

松澤

なるほど。では、多くのサービスが存在する中で、弊社を選んで頂いた理由を教えて頂けますでしょうか。

川田様

まず、幅広い層の人事担当者に対し、社内の慣習に捉われず、グローバルスタンダードな視点を取り入れた学びの機会を提供したいと考えていました。

社内で長年経験を積んできた人事担当者は、どうしても過去の成功事例や社内ルールにとらわれる傾向がありますが、外に目を向けることで他社や世界では自分たちの考えとは同じでもこんなに違う取り組みをしていることや、全く考え方が異なることをやっているなどといった驚きと学びが得られ、更に自分たちの経験や学びが洗礼されていくと私自身の経験から感じていました。また、弊社は全国に人事担当者がいますし、人事担当者間でも、共に学ぶプログラムを通じてネットワーキングを深めてほしいと考えていました。

Every様のHRBP養成講座は、その両方を満たすプログラムだと期待し、ご相談に至りました。

松澤

ちなみに、導入にあたって、反対意見などはありましたか。

川田様

そうですね。例えば、経営幹部候補育成のようなMBAのような経営知識に特化した研修の方が良いのではないかという意見もありました。勿論それらの意見も重要であると認識しつつ、まずは幅広い層の人事担当者の意識改革とスキルアップを図るために、HRBP養成講座を先行して実施する必要があると考えました。
様々な選択肢を試してみて、その効果を検証していくという方針だったことも、この判断を後押ししました。

松澤

有難うございます。では、具体的な研修デザインについてもお伺いさせてください。
今回「手上げ制」で参加者を募られたとのことですが、その背景についてお聞かせいただけますでしょうか。

川田様

はい。「キャリア自律を促し、自発的な学びの姿勢を醸成する」という人財戦略の方向性に沿ったものです。
また、どれくらいの人数が集まるか、人事担当者の研修への意欲や期待を知るという目的もありました。
結果として、約20名の方にご参加いただき、手応えを感じています。もちろん、上司の推薦など個別に受講を勧めたケースもあったと思います。

松澤

今回、約20名の方が参加されましたが、その中で、自発的に手を挙げた方はどのくらいの割合でしたか。

川田様

半分程度は自発的に手を挙げられた方だったと思います。
上司からの指示で参加するというケースが多いと思いますので、今回の自発的に参加した方の率は比較的高い方かもしれません。

プログラム全体像

三菱電機全体として「どうあるべきか考え・提言する」訓練ができた

研修プログラム

松澤

研修の中身についてですが、講義のテーマとして印象に残っていることはありますでしょうか。
また、グループ提言についても、何か印象に残っていることがあれば教えていただけますでしょうか。

まずは講義のテーマからお願いします。
三井化学の小野様にお越し頂いた特別講演は200名を超える方がオンラインで視聴されていましたね。

小林様

特別講演は参加者からのアンケートでも非常に好評で、皆さん興味深く聞いていたようです。最後まで多くの方が視聴されており、私たち事務局側も勉強になりました。
社外の先進事例の話を聞く機会は貴重でワクワクしましたし、参加者にとって良い刺激になったと思います。

川田様

そうですね。200名という参加人数には驚きました。社外の情報に触れる良い機会になったのではないかと感じました。
他には、データ分析に関する講義も非常に勉強になりました。人事担当者にとって重要な分野でありながら、十分に対応できていない部分もあると感じていたので、実用的な学びになったと思います。

松澤

続いて、最後のグループ提言についてですが、今回、グループで一つのクライアントを選び、提案をしていただくという形式で行いました。
個人で作成するという方法もあったと思いますが、グループワークとしたのはどのような意図があったのでしょうか。

川田様

最終提言では、各グループで事業部門を提言先として設定してもらいました。
普段、事業部や製作所の中にいると、どうしても限られた視点しか持てないため、グループワークを通じて、効果や因果関係をしっかりと学び、実際の提言に繋げる訓練として活用してもらいたいと考えました。
松澤さんからも、提言先に対して課題のヒアリングをしっかり行うようにという指示があり、普段、他の製作所の幹部クラスの方にヒアリングする機会がない参加者にとっては、非常に貴重な経験になったと思います。
多くの方が、この経験を良かったと言ってくださっています。

小林様

グループ提言は、所属部署の視点だけでなく、三菱電機全体としてどうありたいかという視点で考える良い機会になったと思います。
受講後のアンケートでも、そのような視点を持てたという意見が多く、その後の業務にも影響があったという声もありました。
また、個人ではなくグループで取り組んだことで、同世代でありながら異なる事業本部に所属するメンバーの考えを聞くことができ、良い交流になったと感じています。
中途採用入社者と新卒入社者、異なる事業本部間のメンバーが協力することで、新たな視点や学びが得られたようです。
運営面では、もう少し参加者が殻を破り、より大胆な提案ができるような工夫が必要だと感じています。

課題意識の持続と、自律的な学習の継続
– HRBP養成講座 効果や変化 -

松澤

ありがとうございます。続いて、研修の効果についてお伺いします。
アンケートや現場からのフィードバックなど、何か具体的な変化はありましたでしょうか。
まずは、受講者の方々の変化についてお聞かせください。

小林様

受講直後と3ヶ月後にアンケートを実施した結果、3ヶ月後でも研修内容を意識して業務に取り組んでいるというコメントが比較的多く、受講して終わりではなく、その後の行動変容に繋がっている兆しが見られました。
業務内容によっては、学んだことをすぐに実践することが難しい場合もあるものの、研修で得た課題意識を頭の片隅に置きながら仕事に取り組む姿勢が見られたことは、大きな成果だと感じています。

松澤

3ヶ月後のアンケートでも、具体的な行動の変化が見られたのは素晴らしいですね。
何か具体的な事例はありましたでしょうか。

川田様

例えば、ピープルアナリティクスのテーマで扱った分析手法です。実際に人事部門のメンバーがデータ分析の知識を活かし、回帰分析を実践していました。
また、人事経験の浅い社員が、研修を通じて体系的に学べたことで、自信を持って業務に取り組めるようになったという声や、コーポレート部門の企画担当者が、研修で学んだことをベースに仕事を進めているという報告もありました。
さらに、研修後も自律的に学習を継続しようとする意欲を持つ受講生が多く見られたことも、今後の更なる効果に期待できる点です。

松澤

経営層や事業部門からのフィードバックはありましたでしょうか。

川田様

グループ提言に対して、内容が分かりやすかったという意見や、提言の際に現場担当者も参加させたことによる、より具体的な意見や質問が出たことなどが挙げられました。
踏み込んだ内容の提言もありましたし、様々な角度からの意見が出され、今後の検討材料として貴重なフィードバックを得られたと感じています。

広い視野を持ち、ビジネスに寄り添った提言ができる人財の育成に向けて

松澤

ありがとうございます。
最後の質問になりますが、今後の展望として、御社における人事やHRBP機能の変化に向けて、どのようなことをお考えでしょうか。今後3年から5年を見据えた課題なども含めてお聞かせください。

川田様

はい。現在、当社は循環型デジタル・エンジニアリング企業への変革という大きな経営課題に直面しており、人事部門にはこれまで以上に経営に貢献していくことが求められています。人事処遇制度の改定をはじめ、変革に向けた取り組みはこれまでも実施していますが、今後は更にスピードが求めらえるように感じています。
そのため、このHRBP養成講座で学んだような、人事の枠を超えた広い視野と、ビジネスの現状に寄り添った提言ができる人財の育成が不可欠であると認識しています。
今後、本プログラムに手上げで参加いただいた社員がHRBP講座の知識を共通に持ち、専門性を活かして貢献できるようになることが重要だと考えており、このプログラムを通じて、そうした人財育成に貢献していきたいと感じております。

小林様

事業本部主導の人財育成が依然として強い現状に対し、人事部門全体としての連携強化と、社員一人ひとりの意識改革の必要性を感じています。
特に、入社10年目程度の社員が、自身の所属する事業部だけでなく、他の事業部や経営層の視点も持つことの重要性を感じ、この講座がそのための良い機会になっていると考えています。
まだそのことに気づいていない社員には、この講座を通じて新たな視点を得てほしいと願っており、また、何をすべきか分からないと感じている社員にとっては、様々な交流や学びを通じて、具体的な行動に繋げる第一歩となることを期待しています。

松澤

川田様、小林様、本日は貴重なお話をお聞かせいただき、誠にありがとうございました。
今回のインタビューを通して、三菱電機様が直面されている課題、そしてHRBP養成講座への期待とその効果について、深く理解することができました。
そして、引き続き第二期の研修もご依頼頂けていること、大変光栄に存じます。
今回のインタビューで伺えた皆様の期待に応えられるよう、Every社としても一層尽力してまいります。
今後とも、末永いお付き合いをよろしくお願い申し上げます。

川田様

小林様

ありがとうございました。

Client

三菱電機株式会社

川田 陽子 様
小林 美彩 様

Consultant

株式会社Every

松澤 勝充
樋口 咲野

HRから、組織を、パフォーマンスを変える。
人事部向け 「原理原則」を学び議論する

HR Academy

Every HR Academyとは、世界トップ10以内にランクされるトップビジネススクール、ハース・スクール・オブビジネス、UCバークレーの上級教授をアドバイザーに迎えた人事部変革プログラムで、「戦略的人事」を実現する為の3カ月~6か月プログラムです。

アカデミックな理論と自社内の実例をもとに、実際のケースを使いながら実践型・参加型で「戦略的人事」を実現させていきます。

ご興味をお持ちの方はお問い合わせください。

下記よりお問い合わせください













    Every HR Academy(HRBP養成講座/自社内人事部改革プログラム)Every HR Academy(HRBP養成講座/公開講座)組織開発コンサルティング(制度設計/管理職研修)採用コンサルティング・RPO/オペレーション代行評価者研修1on1トレーニング面接官トレーニングデザインシンキング・ワークショップサイエンスオブハピネスワークショップダウンロード資料・資料セミナー・公開講座についてEveryで働きたい(正社員・副業パートナー・アルバイト)無料相談を依頼したい(1on1)無料相談を依頼したい(採用業務)その他




    上記ご一読いただき、弊社の個人情報の取扱いについて同意いただける場合はチェックください
     
     

    お問合せはこちら
    お問合せはこちら