Profile
積水ハウス株式会社 藤井 智大 さん
積水ハウス株式会社へ新卒で入社後、一貫して人事領域のキャリアを歩む。給与、労務、採用、評価といった幅広い人事業務を経験し、現場の知見を深める。約3年前に現在の人財開発部へ異動し、人事制度企画や組織開発といった、より戦略的なミッションに従事。1年半前からはチームリーダーとしてメンバーを牽引し、組織の中核として活躍している。人事としての豊富な経験を基に、事業戦略と人事戦略の連動を強く意識し、組織能力の最大化に向けた取り組みを推進している。
※経歴はインタビュー時点のものです。
役割として生まれたHRBP
その「あるべき姿」を体系的に学びたい
− 受講の動機やきっかけを教えてください。なぜ受講を決意されたのでしょうか。
私が所属する会社では、現在進行中の中期経営計画の中で、新たにHRBPという役割が設置されました。これが受講を考える直接的なきっかけです。事業戦略と人事戦略の連動がますます重要になる中で、HRBPという役割が生まれ、実際に2名体制でスタートし、少しずつその規模も拡大しています。
このような変化の中で、私自身、「HRBPとは本来どういう役割を担う存在なのか」「そのあるべき姿とは何なのか」という純粋な興味と、それを体系的に学びたいという強い思いが湧いてきました。これまでも人事として業務に携わってきましたが、HRBPとして、そしてビジネスパートナーとして求められるスタンスや専門知識を、一度しっかりと整理し、身につける必要があると感じていました。
講座の選定にあたっては、特に他の講座と比較検討したわけではありません。以前、同じ会社の者がこの講座を受講していたので、相談のうえで受講を決めました。
「報酬」の概念を再定義し
「組織能力をモニタリングする」という新しい視点を得た
− 4ヶ月を通じて、講座の中で特に印象に残っているテーマはありますか。
特に印象に残っているテーマが2つあります。
1つ目は、Day5の「報酬とインセンティブ」です。「報酬」と聞くと、どうしても「金銭」と考える方が社内に多く、特に営業職においては成果に連動するインセンティブの要素がモチベーションの源泉となりやすい傾向があります。しかし、講座で「トータルリワード」という考え方に触れ、視野が大きく広がりました。報酬とは金銭的なものだけでなく、やりがい、成長機会、良好な人間関係といった非金銭的な要素も含めて捉え、それらを総合的に設計し、従業員にしっかりと伝えていくことの重要性を学びました。これは、今後の人事制度を考えていく上で、非常に重要な視点だと感じています。
2つ目は、Day7の特別講義で登壇されたGEヘルスケア・ジャパンの小田様がお話しされていた「組織能力をモニタリングする」というテーマです。事業戦略と人事戦略を連動させることを考えたとき、私たちはどうしても個々の従業員のことなど、狭い領域に目が行きがちです。しかし、小田様のお話は、あくまで「組織全体」としてどう事業に貢献していくか、そのために組織の現在の状態を正しく把握する必要がある、というものでした。組織が健全な状態にあるかを多角的に測り、課題があれば対処していく。そのための仕組みや視点を持つことの重要性に気づかされました。これまで個人のエンゲージメントやワークライフバランスといった点で組織を見ていましたが、より複合的な視点で組織能力そのものを捉え、戦略的に働きかけていく必要性を強く感じた講義でした。
理論・実践・仲間
安全な場でオープンに話せる「つながり」が財産に
− 講座の魅力について。魅力に感じた点は何でしょうか?
この講座の魅力は数多くありますが、特に3つの点を挙げたいと思います。
1つ目は、HRに関する理論を体系的に学べる点です。これまで断片的に知識として持っていたことも、講座を通じて一つの大きなフレームワークの中で整理することができました。
2つ目は、オンラインという受講形式です。多様なバックグラウンドを持つ方々が、仕事やプライベートと両立しながらフラットに参加できることが、オンラインならではの魅力だと思います。
そして3つ目が、「学ぶ仲間とのつながり」です。業種も企業規模も全く異なる他社の人事担当者の方々と、深く議論し、関係性を築けたことは、何よりの財産になりました。講座の冒頭で「ノージャッジメント・ノーステータス・キュリオシティ」というグランドルールが共有されたおかげで、参加者全員が非常にオープンな雰囲気でした。会社の垣根を越えて、自社の課題や悩みを本音で語り合い、他社のリアルな事例から学ぶことができたのは、この講座ならではの貴重な経験です。グループディスカッションを通じて得た気づきや、そこで生まれたつながりは、今後のキャリアにおいても大きな支えになると思います。
施策先行からの脱却
事業戦略を起点に考えるマインドセットが定着した
− 受講前と受講後で、ご自分の知識力や考え方、マインドなどに変化はありましたでしょうか。具体的な変化がありましたら教えてください。
受講を通じて、最も大きな変化があったのは自身のマインドセットです。
これまでは、どうしても施策(How)を先に考えてしまうことがありました。しかし、受講後は、常に「事業戦略との連動」を起点に物事を考えるようになりました。事業部門が掲げているKPIは何か、その達成のために人事としてどのような貢献ができるのか。既存の施策と事業戦略がどう結びついているのかを、改めて整理し、可視化するようになりました。この視点は、HRBPだけでなく、人事部門全体が持つべき重要なスタンスだと再認識し、HRという仕事の捉え方をアップデートできたと感じています。
また、講座で得た知識は、人事の組織課題の認識にもつながっています。インプットした知識をいかに実践的なアウトプットにつなげていくか、という観点から、人事担当者のキャリアパスや職能開発をどう設計していくべきか。この課題について、今後上司とも具体的に対話を進めていきたいと思います。
最終アサインメントでは、「報酬」をテーマに発表しました。講座で学んだ「総合的報酬」の考え方をベースに、自社の次期中期経営計画の中で、従業員に対してどのような報酬体系を提示していくべきか。このテーマは現在も継続して検討しており、講座での学びが直接的に実務に活かされています。施策が先行する状況から脱却し、事業を起点とした戦略的人事を実践していくための、確かな土台ができたと実感しています。
HRBPという役割に限定せず
人事としての視野を広げたいすべての人へ
− 最後に、HRBP養成講座をご検討されている皆様にメッセージをお願いします。
この講座は、HRBPという特定の役割の方だけでなく、人事に関わるすべての方にとって、非常に有意義な学びの機会になると思います。
HRに関する理論や考え方を体系的に学べることはもちろん、他社のリアルな事例に触れ、最終的には自社の課題解決に向けたアウトプットまで行うという、理論と実践のバランスが絶妙に設計されています。
そして、私が何よりもお伝えしたいのは、ここで得られる「仲間とのつながり」の価値です。業種や企業規模の壁を越えて、人事という共通の立場で本音の議論ができる場は、本当に貴重です。講座で設定されているグランドルールのおかげで、誰もが安心して自分の考えや悩みを共有できます。私自身、ここで生まれたつながりが大きな財産になりました。
「HRBP」という言葉に限定せず、例えば「人事としてのキャリアに少し悩んでいる」「他社の人事担当者と人脈を築きたい」「自社の取り組みを客観的に見つめ直したい」といった動機でも、必ず得られるものがあるはずです。フラットな立場で多様な視点に触れられるこの機会を、ぜひ活用していただきたいです。
