
Profile
株式会社メルカリ 評価報酬チーム 田口 葵さん
リクルートの人材紹介エージェントとして法人営業を経験した後、人材業界での経験と英語スキルを活かせる場として現職で社内HRとしてのキャリアをスタート。現在は株式会社メルカリの評価・報酬チームに所属し、評価制度の企画・運用を担当している。
※経歴はインタビュー時点(2025年6月)のものです。
HRとしてレベルアップし、適切な判断・決断をするため
− 受講の動機やきっかけを教えてください。なぜ受講を決意されたのでしょうか。
このHRBP養成講座の受講は、評価・報酬チームに所属してちょうど3年目になるタイミングで、上司から勧められたのがきっかけです。私自身のHRとしてのキャリアは新卒採用担当から始まり、現在は評価・報酬の企画側で業務を行っています。今後、HRとしてキャリアを深めていくためは、作った制度を実際に現場に落とし込んで運用する経験や、現場での労務対応といった、これまで経験のない分野も学ぶ必要があると考えていました。HRとしてレベルアップし、適切な判断・決断をするために、HRBPの知見が必要だろうということで、受講を決めました。
現行制度を客観的に捉え、HRの役割を再認識できた
− 4ヶ月を通じて、講座の中で特に印象に残っているテーマはありますか。
特に印象に残っているのは、自身の担当領域である「報酬制度・インセンティブ」(Day5)のテーマです。原理原則と照らし合わせることで、自社のスタンスが明確になる部分とそうでない部分があり、現況を客観的に捉えることができました。実際に講座を受けていたタイミングで、自分が制度変更をリードしようとしていた状況だったため、原理原則に合わせた場合にどうなるのかを深く考えるきっかけとなり、多くの気づきを得られました。また、講座の中で日本と海外における考え方の違いも紹介されており、文化的な側面でも比較できたことが面白いなと感じました。
もう一つ、メルカリのCHROである宮川が特別講座で話していた「人事とはプロデューサーである」という言葉も、私にとって非常に印象深いものでした。HRは裏方的な存在で、営業のように直接利益を上げる部署ではありませんが、様々な役者がいる会社というステージにおいて、彼らのパフォーマンスを最大化することで会社全体の成果を上げていくという考え方は、まさにHRを表す言葉だと感じました。この考え方は、今後HRとして働く上で大切にしていきたいと思っています。
また、採用は経験があるものの、育成など未経験の分野についても、原理原則を体系的に学ぶことができたため、理解が深まりました。HR業務は一連の流れで繋がっているため、例えば評価の後にフィードバックがあり、その後に育成があるといったように、未経験の分野の知識も現在の業務に活かせることを実感しました。
体系的な学びと多様な視点からの気づきが得られる
− 講座の魅力について。魅力に感じた点は何でしょうか?
まず1つ目は、HRのベーシックなアイデアや原理原則を体系的に学べることです。 評価、フィードバック、採用といった一連のテーマに沿って、体系的に教えてもらえたのは非常に良かったと感じています。それぞれのテーマがどのように繋がっているのか、その全体像を理解することで、より深い視点からHRの仕事を見つめ直すことができました。
2つ目は、講座の時間とほぼ同じくらいの時間、他の受講者の方々とディスカッションする時間があったことです。 他社の事例を知ることができるのはもちろん、「自分と全く同じ課題感を持っている人が、全く違う業種にいる」ということを知れたのは、大きな気づきでした。普段の業務ではなかなか得られない、他社のHR担当者との交流を通じて、視野が大きく広がったと感じています。また、自分とは異なる視点からの気づきを得られることで、「こういう考え方もあるんだ」と、より多角的に物事を捉えることができるようになりました。
3つ目は、グローバルな観点での気づきを得られたことです。 報酬以外でも日本と海外の文化や採用手法、キャリアに対する考え方の違いについて話があり、非常に興味深かったです。私が所属するメルカリには外国籍の社員が約3割いるのですが、異なる文化を持つ人々と働く上で、その違いを知っておくことの重要性を改めて認識しました。グローバル企業におけるHRとしての役割や、多様なバックグラウンドを持つ社員への対応について考える上で、非常に参考になる学びでした。
− 受講前と受講後で、ご自分の知識力や考え方、マインドなどに変化は
ありましたでしょうか。具体的な変化がありましたら教えてください。
日々の業務に追われていると、どうしても目の前の課題をこなすことに集中しがちですが、この講座のファイナルアセスメントに取り組むことで改めて、会社全体として目指す方向性と、それを実現するためにHRとしてどのようなギャップを埋める必要があるのか、という大局的な視点で考えることができました。実際に、ファイナルアセスメントで作成した施策を経営会議で提案する機会もあり、その内容がさっそく実務に直結したことは大きな成果だと感じています。
また、講師の松澤さんからのフィードバックも大変有益でした。特にコミュニケーションや対話の部分についていただいたフィードバックは、まさに今感じていた課題と重なっていました。当社の特徴として、施策をどんどん打ち出すスピード感がある一方で、それに対する振り返りやフィードバックが分かりやすい形で実行できていないという課題もあると思います。このフィードバックを受け、改めて戦略的なコミュニケーションの必要性を強く感じました。今後は、一方的に情報を伝えるだけでなく、相手にどのように受け取ってもらうか、どうすれば理解を深めてもらえるかといった点も意識して、コミュニケーションの質を高めていきたいと考えています。
それから、講座前に毎回行われていたマインドフルネスが非常に良かったので、今では毎朝自分でも取り入れています。集中力が高まり、気持ちがすっきりする効果を実感しており、日々の業務にも良い影響を与えているのではと思っています。
HR初心者から経験豊富な方まで、価値のある講座
− 最後に、HRBP養成講座をご検討されている皆様にメッセージをお願いします。
HRの経験が初めての方にも、ある程度の経験がある方にも、非常に有用な講座だと思います。
HR経験が浅い方にとっては、原理原則を体系的に学ぶことで、それをベースに具体的な施策を考えることができるようになります。HRの仕事は多岐にわたりますが、この講座で基礎をしっかり学ぶことで、様々な業務に自信を持って取り組めるようになるのではと思います。HRの経験が豊富な方にとっても、業務から一旦離れて基本的な考え方に立ち返り、頭をリフレッシュする良い機会になるはずです。日々の業務に追われていると、どうしても視野が狭くなりがちですが、講座で得られる俯瞰的な視点は、今後のキャリアを考える上で非常に役立つと思います。
さらに、他の受講者との議論を通じて、他社の状況や自分と同じような課題感を持つ人がいることを知ることができるのも大きなメリットです。特にHRのような社内向けの仕事が多い職種では、このような機会はなかなか得られないため、非常に貴重な経験になると思います。
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