次世代輸送機器関連企業　　宮野内 雄樹さん

新卒で大手自動車関連会社に入社後、11年間にわたり人事業務に従事。技術開発部門、海外の生産工場、本社など、多様な環境で人事としてのキャリアを積む。特に社内コミュニケーションや労使交渉の領域で豊富な経験を持つ。大企業での業務を通して、自分自身の生き方、キャリア形成に課題意識を抱き、スタートアップの世界へ。東京のIT企業にて、主に組織・人材開発やエンゲージメントサーベイなどを担当。その後、現在の会社に参画し、HRBP組織の立ち上げをリードする。HRの知見を活かし、プロジェクトマネジメント組織にて、組織やプロセス改善にも従事。事業の最前線で、戦略的人事の実現に挑戦している。

※経歴はインタビュー時点のものです。

受講の直接のきっかけは、現職でHRBP組織を立ち上げるというミッションを与えられたことでした。いざ取り組もうとしたときに、「そもそもHRBPとは一体何なのか？」という根本的な問いに突き当たったのです。本を読んだり、インターネットで情報を集めたりしても、企業によって定義はバラバラで、どうにも掴みどころがない。当時の上司もHRBPの経験者ではありましたが、話を聞いても「結局は企業によって違うよ」という結論になりがちで、自分がこれから組織を立ち上げていく上での確固たる「拠り所」が見つからない状態でした。

新卒で入社した会社で11年間、人事として労務や労使交渉といった伝統的な人事業務に携わってきた経験はありましたが、それはあくまで大企業の枠組みの中での話です。その後、ITスタートアップに転職し、組織文化の醸成や組織開発に携わりましたが、そこでの経験もHRBP業務の一部だったと思います。自分が今、取り組むべきHRBPという役割を0→1で作り上げ、確立するために、まずはHRBPとしての原理原則やHRBPとは何か？を体系的・構造的に理解する必要があると感じ、ベースとなる知識を学べる講座を探し始めました。

いくつかの研修や講座を比較検討しましたが、Every HR Academyを選んだ決め手は、「グローバルスタンダードのHRBP」を学べるという点でした。現職では、社員の約2割が外国籍で、特に役員やリーダー層では4割近くを占めるなど、多様なバックグラウンドを持つ人材が集まっています。上司も外資系企業の出身であり、日本的な人事の考え方だけでは通用しない場面が多くありました。だからこそ、世界標準の考え方やフレームワークを学ぶことが不可欠だと感じたのです。様々な本や情報が溢れる中で、HRBPの「原理原則」とは何か、その本質を学び、自分の中にしっかりとした軸を築きたい。その思いが、この講座への参加を決意させました。

Day1の「これからのHR」が最も印象に残っています。まさに、私が探し求めていた「HRBPとは何か」という問いに対する、明確な答えがそこにあったからです。講座が始まる前は、正直なところ「HRBPとは、現場に入り込んで課題解決する人」といった程度の、曖昧な理解しかありませんでした。しかし、Day1で学んだのは、「会社の事業戦略を深く理解し、その戦略を実現するために、社員のパフォーマンスをいかにして最大化するか。その視点から人事施策を考え、実行するのがHRBPの役割である」ということでした。この定義に触れたとき、頭の中の霧が晴れるような感覚を覚えました。

それまでの私は、どうしても「自分の業務範囲の中でどうするか」という、部分的な視点で物事を考えがちでした。しかし、Day1の講義は、そうした個別の施策がすべて事業戦略という大きな幹に繋がっていることを教えてくれました。人事のあらゆる活動は、事業の成功に貢献するためにある。この視座を得られたことが、私にとって最大の収穫でした。

この学びは、その後のDay2以降の各論を理解する上での土台にもなりました。採用、評価、育成、報酬といった個別のテーマも、すべて「事業戦略の実現」「組織や人材のパフォーマンスが上がっているか」というゴールから逆算して捉え直すことができるようになったのです。Day1がなければ、各テーマを断片的な知識としてしか受け止められなかったかもしれません。まさに、4ヶ月間の学びの質を決定づける、極めて重要な回だったと感じています。

1つ目は、各テーマにおける「原理原則」を体系的に学べたことです。先ほどもお話ししたように、HRBPという役割は非常に掴みどころがなく、多くの情報が溢れています。その中で、この講座は各人事テーマについて「なぜこれが必要なのか」「グローバルではどう考えられているのか」という本質的な部分を、具体的な事例やフレームワークと共に明確に示してくれました。これが、自分の中でHRを考える上での確固たる土台となり、どんな状況でも立ち返ることのできる「拠り所」になったと感じています。

2つ目は、多様なバックグラウンドを持つ仲間と出会い、深く学び合えたことです。グループディスカッションでは、本当に様々な業種、様々な企業フェーズの人事担当者が集まっていました。大企業の方もいれば、私のようなスタートアップの方もいる。それぞれの立場から出てくる課題や視点は非常に新鮮で、「ああ、そういう考え方があるのか」「うちの会社も数年後にはこういう課題に直面するかもしれない」といった、未来を見据えた気づきをたくさん得ることができました。講義で学んだ原理原則を、こうしたリアルな事例と照らし合わせることで、理解が何倍にも深まったと感じています。

3つ目は、オンラインでありながら質の高い学びの場が提供されていたことです。私は地方在住のため、これほどレベルの高い講座に東京へ行かずとも参加できたのは非常にありがたかったです。また、オンラインだからこそ、全国から多様な参加者が集まり、先ほど述べたような豊かな交流が生まれたのだと思います。移動の負担なく、最先端の知見に触れ、全国の仲間と繋がれる。この学習環境そのものが、大きな魅力でした。

最も大きな変化は、学んだ知識を即座に日々の業務に反映させ、実践できるようになったことです。受講中は、その週に学んだフレームワークや考え方を使って、社内の課題解決に取り組んでいました。受講前は「HRBPとは何か」と悩んでいましたが、受講後は事業戦略と人事戦略を繋げて考えるという明確な軸ができたため、自信を持って施策を立案し、経営層に提案できるようになったのです。

例えば、講座のファイナルアサインメントでは、「現場に根差したHRBP組織を強化する」というテーマを掲げました。その後、役割としては人事から一時的に離れることになったのですが、不思議なことに、このアサインメントで構想したことは形を変えて実現に向かっています。現在、私はプロジェクトマネジメント組織に所属し、現場に深く入り込んで組織やプロセス、コミュニケーション改善に取り組んでいます。以前のように人事部の中から組織を見るのではなく、事業の最前線に身を置き、そこから組織全体を動かしていく。まさにアサインメントで描いた姿を、より現場に入り込んだ形で実践している感覚です。

この経験は、私自身のキャリアプランにも大きな影響を与えました。社会人になって初めて人事業務から離れたことで、新たな可能性が見えてきました。事業の現場を深く知るこの経験は、自分が目指している人事トップにたどり着けた時に、会社全体を俯瞰する際に、必ず大きな力になると思っています。

これから人事としてのキャリアを築いていく方にとって、HRBPという役割は間違いなく重要なものになっていくと思います。経済産業省のレポートでも言及され、ジョブ型雇用の文脈でも注目されるなど、その重要性はますます高まっています。

しかし、その一方で、HRBPという言葉は一人歩きしがちで、本を読んでもどこか掴みどころがなく、「結局、何をすればいいのか？」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。私自身がまさにそうでした。

この講座は、そんなHRBPという役割の「拠り所」となる、しっかりとした土台を築かせてくれます。グローバルスタンダードとなっている原理原則やフレームワークを体系的に学べる機会は、日本ではまだ非常に少ないと感じています。ここで得られる知識は、皆さんが今後、どのような企業、どのような状況でHRの仕事をする上でも、必ず指針となるはずです。

そして何より、同じ志を持つ多様な仲間と出会えることが、この講座の大きな価値です。様々な業界、様々な規模の会社で奮闘する仲間とのディスカッションは、自分一人の視点では決して得られない、多くの気づきを与えてくれます。HRBPという、まだ答えのない領域だからこそ、共に学び、議論し合える仲間の存在は本当に心強いものです。

もしあなたがHRBPとしての一歩を踏み出したい、あるいは現在の役割に確信を持ちたいと考えているのなら、この講座をぜひお勧めします。