Profile
ライオン株式会社 青木 陽奈 さん
新卒でライオン株式会社へ入社後、営業職としてキャリアをスタート。2年間の現場経験を経て人事部へ異動し、3年間にわたり採用実務に従事。その後、再び営業現場へ戻り、8年半の間、第一線のビジネスの最前線で実績を積む。現場での経験を活かし、営業部門専任の人事を3年間務めた後、本社人事部へ。現在は営業と人事双方のキャリアを武器に、全社的な人材育成や組織開発を推進している。
※経歴はインタビュー時点のものです。
特定領域の知識に留まらない「戦略の連関」への危機感
− 受講の動機やきっかけを教えてください。
受講のきっかけを振り返ると、自分の中にあった「危機感」に辿り着きます。弊社では2023年に人事制度を大幅に改定しました。私自身は、報酬設計や等級制度などの細かな設計には直接関わっていませんでしたが、人事部の人間として、その制度がどのような思想に基づき、どのような連関を持って設計されているのか、そしてどう活用すれば制度運用が真に機能するのか、という全体像を理解しているべきだと強く感じていました。
しかし、これまでのキャリアを振り返ると、主に人材育成と採用という限られた領域に携わってきたという自認があります。人事の各領域が分断された状態ではなく、全領域を体系的に理解した上で、自分の担当領域を戦略的に考えられるような人材でなければ、これからの時代は通用しないという危機感があったのです。
また、昨今の「人的資本経営」への関心の高まりも大きな要因です。経営戦略に資する人事戦略や、事業ポートフォリオに即した人材ポートフォリオの充足といったテーマにおいて、人材育成や採用という「パーツ」だけを見ていては、真に機能する戦略は描けません。それぞれの領域がどのように連関し合って組織を動かしているのか、その全体像を理解しなければ、今後人事パーソンとして価値を提供し続けることは難しいのではないかという思いがありました。
− 何か別の選択肢と取捨選択されていれば、Every HR Academyを選んだ理由を教えてください。
Every HR Academyを選んだ直接のきっかけは、社内の先行受講者である高橋のインタビューを目にしたことでした。実は社外の知り合いの人事の方もこの講座に興味を持っており、先行受講者である高橋から感想を聞きたいというお話をいただいたため、私も同席して二人で話を聞く機会を得たのです。
その際、高橋の話を通じて、この講座は自分が求めていた「人事の全体像を俯瞰する視点」を習得できる場所ではないかと感じました。そのため、他の選択肢を比較検討することはほとんどせず、迷いなくピンポイントでこの講座に飛び込むことを決めました。
研修は手段
「パフォーマンスマネジメント」による事業貢献
− 4ヶ月を通じて、講座の中で特に印象に残っているテーマはありますか。
全8回の講義の中で、最も私の意識に変化をもたらしたのはDay3の「パフォーマンスマネジメント」の回です。特に講義の中で示された「Dynamic HRM」というフレームワークにはとても納得感があり、今でも鮮明に頭に残っています。
もともと私は、課題解決の手段は必ずしも教育(育成)である必要はないと考えていました。採用で解決するのか、配置や異動で解決するのか、あるいは評価の仕組みを変えるのか。多くの選択肢がある中で、教育が真に有効な手段である場合にのみ研修を講じるべきだという考えが、このフレームワークとリンクしたのです。この循環が適切になされていることこそが最も健全であり、人事の仕組みが正しく回っている状態であるという確信を持つことができました。
さらに、実施した施策が事業成果や従業員のパフォーマンスにどう紐付いているのかを、設計段階から測定可能な形で組み込んでおく重要性についても学びがありました。満足度や理解度といった研修直後の指標だけでなく、長期的な行動変容や事業への貢献度をどう評価するか。これまで「測定が難しい」と半ば諦めていた部分に対しても、論理的なアプローチが存在することを意識しました。このパフォーマンスマネジメントの視点を持てたことで、現在は自社の施策を「事業成果に資するか」という一貫した軸で俯瞰して捉えられるようになったと思います。
海外のナレッジ体系と
アウトプットを重視した「3部構成」
− 講座の魅力について。魅力に感じた点は何でしょうか?
この講座の魅力は、大きく分けて3点あると感じています。1つ目は、海外の最先端かつ体系的なナレッジを学べる点です。日本の人事慣行だけでなく、グローバルで整理されている理論やフレームワークに基づいた講義は、自分の経験則だけで語りがちな人事実務に、強い論理的根拠を与えてくれました。
2つ目は、講義の構成です。3時間の講義は概ね3部構成になっており、各テーマごとにインプットとディスカッションがセットになっています。オンラインでありながら、一方的に話を聞くだけではなく、常に自分の頭で考え、他社の参加者と対話することで、知識がその場で血肉化されていく感覚がありました。この適度な緊張感とアウトプットの機会のおかげで、毎回時間が経つのを忘れるほど集中して取り組めたと思います。
3つ目は、講師からのフィードバックの質です。とくに課題(アサインメント)に対しては、驚くほど丁寧で鋭いフィードバックをいただけました。「もっとこうしたらどうか」という具体的な提案や示唆は、実務にそのまま持ち帰れるレベルのものでした。他の受講者の課題であった報酬設計やPeople Analyticsの領域についても、講師のフィードバックを読み込み、さらに要点を整理し直すことで、自分の知見として蓄積することができました。
俯瞰的な視点と
自身のキャリアを肯定できたマインドの変化
− 講座の効果について。受講前と受講後で、ご自分の知識力や考え方、マインドなどに変化はありましたか。
受講前、私は「一社しか経験していない」「人事の特定の領域しか知らない」ということに対して、どこか引け目を感じていました。しかし、全8回の講義、そして特別講義で登壇された方々のお話を通じて、そのマインドは変化しました。
特に印象的だったのは、「必ずしもすべての領域を経験している必要はない」という言葉と、「一次体験を通じて学び続けることの価値」についてのお話です。私は営業現場を長く経験し、自社という組織の文化や現場の機微を深く理解しています。社内の誰に話を聞きに行けば現場のリアルが掴めるかというネットワークも持っています。それこそがHRBPとして、理論を自社に適合させるための「生きた資産」であると気付かされました。
知識面での変化はもちろん大きいですが、それ以上に「現場の一次情報を集め、自分なりに意味付けをして語る」ことこそが、人事が事業のパートナーとして認められるための鍵である、と自信を持てるようになったことが最大の収穫です。受講後は、専門領域である人材育成についても、単なる手法論ではなく、他領域との連動性を意識しながら、「この施策が組織全体のパフォーマンスをどう押し上げるか」という視座で語れるようになりました。
仲間と「人事の深み」を追求できる場
− 最後に、HRBP養成講座をご検討されている皆様にメッセージをお願いします。
HRBP養成講座への参加を検討されている皆様にお伝えしたいのは、この講座は「単なるスキルの習得の場」ではないということです。ここには、現職でHRBPを務めている方はもちろん、専門領域に特化している方や、これから人事としての幅を広げたい方など、多様なバックグラウンドを持つ仲間が集まります。
理論を学ぶことはもちろん重要ですが、それ以上に価値があるのは、他社の実務家との対話を通じて「理論通りにいかないリアルな悩み」を共有し、解決策を共に模索する時間です。他社がどのように工夫し、どのような壁にぶつかっているのか、そうした一次情報に触れることで、自社の課題を相対化して捉えることができるようになります。
体系的な学びは、あなたのこれまでの経験を肯定し、次のステップへ進むための確かな指針を与えてくれます。人事という仕事の深みと可能性を再発見できるこの場所に、ぜひ一歩踏み出してみてください。
