Profile
製薬会社 H.T さん
2006年に製薬会社へ新卒入社。営業としてキャリアをスタートさせた後、本社のマーケティング部門にて戦略立案に携わる。その後、エリアマーケティングや新規事業開発、大型製品の上市(市場投入)準備といった、事業の最前線における重要プロジェクトを歴任。現場第一線での豊富なビジネス経験と実績を背景に、本人の希望もあり、2024年より人事部へ異動。現在はHRBPとして、組織改編、人事異動、登用、評価といった多岐にわたる人事施策の実行を担っている。事業側で培った「成果へのコミット」と「現場感覚」を強みに、組織と個人の成長をリンクさせる新しい人事の在り方を追求している。
※経歴はインタビュー時点のものです。
実務での迷いを解消し、
体系的な知の土台を築くために
− 受講の動機やきっかけを教えてください。
私は入社以来18年間、営業やマーケティングといった事業側の最前線でキャリアを積んできました。人事に異動してからはまだ2年弱という段階ですが、もともと「いかにして人を育て、組織を強くするか」というテーマには強い関心を持っていました。現場にいた頃から、タフ・アサインメントや海外経験を通じて人が成長していく姿を見てきましたし、サクセッションプランを通じて次世代のリーダーを排出できる風土を作りたいという想いを持って人事に飛び込みました。しかし、エビデンスベースで語れる事業側と異なり、人事業務は何を根拠に動いているのか、理解しきれない部分がありました。人事に着任してからは、周囲のやり方を見ながら、手探りで業務を行っている状態で、「なぜこの制度はこの設計になっているのか」「この判断の根拠となる理論は何か」という、人事としての基礎的な「お作法」が自分の中に欠けているという自覚がありました。1つ1つの実務のやり方を知ることも大切ですが、人事全体の体系立てられた知識や歴史を知っておきたい、そうしないと実践もアップデートもできない、と感じていました。
そんな折に、既に本講座を受講していた同じ部署のメンバーから紹介を受けたのが今回のきっかけです。体系的に人事を学べる機会があるのならぜひ挑戦したいと考えました。こういった研修自体を知らなかったため、他の選択肢と迷うことはなく、聞いた時点で受講を決意しました。
人事の存在意義を再定義した、Day 1の原理原則
− 4ヶ月を通じて、講座の中で特に印象に残っているテーマはありますか。
全8回の講義の中で、私にとって最も大きな衝撃だったのは初回の講義です。製薬業界という、エビデンスや科学的根拠を極めて重んじる世界に長く身を置いてきた私にとって、人事が扱う「正解のない問い」への向き合い方は、常に悩みの種でした。Day1では、人事がそもそも何のために存在するのか、という「人事の存在意義」が非常に明快に整理されていました。これまで行っていた個々の業務や断片的な知識が、日々の実務で行っていた判断が、大きな文脈の中に位置づけられたことで、常に立ち返るべき原理原則が自分の中に確立されたように感じました。
また、実務に直結する部分では、Day 3のパフォーマンスマネジメントと評価の講義です。評価方法は手法や手段で分岐しており、自社の制度がどういった位置づけにあるのか、なぜ現在の形を選んでいるのかを、より客観的に捉え直すことができました。また、パフォーマンスマネジメントの原理原則も、現場の社員やマネジメント層と対話する際などの際にも、常に立ち返り、心がけるようになりました。また、Day5の報酬とインセンティブについての講義も、考え方として心理学的な動機付け理論に基づいた説明もあり、印象深かったです。これらは、実務の中で「何が正しいのか」を模索していた私にとって、大きな学びとなりました。
志を共にする仲間との、
オンラインを超えた本質的な対話
− 講座の魅力について。魅力に感じた点は何でしょうか?
本講座の大きな魅力は、受講生の皆さんの圧倒的な熱量にあります。普段、社内の研修などに参加することもありますが、この講座のように「自ら手を挙げて参加している」方々が集まる場は、ディスカッションの密度が異なると思います。グループワークでは、オンライン環境の壁を一切感じさせないほど、活発な意見交換が行われました。各自が自社の課題を背負い、それをどう解決すべきかという真剣な眼差しで議論に臨んでいるため、多くの気づきを得ることができました。
社外の人事担当者と接点を持てたことも貴重な経験でした。異なる会社の方々であっても、人事という同じ職種ゆえに「あるある」と共感し合える共通の悩みが非常に多く、打ち上げなどでも非常に盛り上がりました。一方で、人事の世界だけに留まっていると視野が内向きになる危険性も感じ、事業部門を経験してきた自分だからこそ持てる視点の重要性も再認識することができました。
− 講座の効果について。受講前と受講後で、ご自分の知識力や考え方、マインドなどに変化はありましたか。
受講を経て、実務における判断の仕方が明確に変わりました。特に年度末の人事異動の検討において、判断に迷った際には常に講座で学んだ原理原則に立ち返るように意識しました。
人事異動の議論では、どうしても個別の事情に目が向きがちになります。しかし、一度大きな視点を持ち、「会社全体の事業発展」と「個人の成長」がリンクできているかという点検を繰り返すことで、より納得感のある検討ができるようになったと感じています。知識が体系化されたことで、実務の「点」が「線」として繋がったことが大きな収穫です。
今後のキャリアとしては、今の専門性を活かしつつ、人事と事業部門を再び行き来することで、双方の視点を持ちながら組織を活性化させていきたいと考えています。
キャリアの長短を問わず、
すべてのHRパーソンへ推奨したい学び
− 最後に、HRBP養成講座をご検討されている皆様にメッセージをお願いします。
このHRBP養成講座は、私のように人事としてのキャリアが浅い人間にとっては、迷いなく進むための「地図」を手に入れるような経験になります。しかし、それ以上に、人事で10年以上の経験を積んでこられたベテランの方々にこそ、ぜひ受けていただきたいと感じています。日本の人事慣習には独自の良さもありますが、一方で、変化の激しい時代において「ガラパゴス化」してしまうリスクも孕んでいると思います。本講座では、アメリカを中心とした世界の潮流や、最新のアナリティクスの視点も学ぶことができ、常に広い視野を持って自社の制度を見つめ直すことができます。長年の経験で培ったノウハウや勘は素晴らしいものですが、それを一度、世界基準の体系的な知見と照らし合わせ、「答え合わせ」をしてみることで、これまでとは違った景色が見えてくるはずです。
