Profile
リコーインダストリアルソリューションズ株式会社 経営管理室 稲井 麻貴 さん
(株)リコーに新卒採用で入社後、キャリア採用、HRBP等の業務に従事。2014年には、現在所属する新会社の立ち上げなどを経験。2016年に夫の海外転勤に帯同しシンガポールに居住。その後、2019年の秋に復職し、現職にて、人材開発・組織活性化領域を担当。
※経歴はインタビュー時点のものです。
経営と人事がつながるために
− まず、今のお仕事について教えてください。
従業員数が1,000名を超えるメーカーの経営管理室にて、人事チームに所属しています。
新卒でリコーに入社して以降、一貫して人事系の部署に所属し、採用、HRBP、そして現在所属する新会社の立ち上げなどを経験しました。一昨年前(2019年)の秋に夫の海外転勤の帯同を終え復職してより現在に至るまでは人材開発・組織開発領域などを担当しており、エンゲージメントサーベイの分析やマネージャー向けワークショップの企画・実施などを進めています。
− 本講座を受講されるきっかけや動機は何だったんでしょうか。
キャリアの大半が人事で、各領域で業務を担当してきましたが、それで本当に人事のプロフェッショナルになったと言えるのか、もっと体系的・理論的なベースを学ぶ必要があるのではないか、と感じてきました。経営陣と対話しながら、業績や各種指標といった経営目標の達成に寄与しつつも、同時に、社員のエンゲージメントや幸福度にも貢献できるような人事となるべく、ずっと学ぶ機会を求めていたように思います。
そんななか、友人の紹介でこの講座を知り、自発的にプライベートで参加することを決めました。
− なぜ、EveryのHRBP養成講座を選択されたのでしょうか。
友人の推薦はもちろんですが、最先端の人事を全般的に学べる講座そのものが数限られていたことと、フルオンラインかつ少人数でインタラクティブに学ぶことができそうだと感じたことが理由です。そして、「経営と人事をつなげる」や「HRとしての原理原則」というキーワードにもピンとくるものがありました。
もちろん、別の企業で人事をなさっている他の受講生との交流を通じ、自社以外のカルチャー・人事業務の進め方を知ることができるだろうことも受講の狙いのひとつであり、楽しみにしていました。
人事は迷子になりやすい
− これまでの講座で最もインパクトがあったテーマは何ですか。
Dynamic HRMの考え方です。人事のあらゆる領域がすべてパフォーマンスにつながっている、というのはシンプルですが奥深く、素晴らしいと感じました。各領域について学びを深めながら、人事として目指すべきは、一人ひとりの、そして組織のパフォーマンスに貢献するということなんだ、という点がクリアに腹落ちしました。人事としてのブレない軸を獲得できた、と言い換えることもできますね。
長年人事を経験する中で、人事って迷子になりやすいな、と感じていたんです。社員のためにと思って意気込み頑張ったとしても、それが本当に幸せにつながっているのか定量的に測ることはとても難しいですし、そもそも企業として社員を幸せにすることを目的と置くのが適切なのか、それが業績など経営目標の達成へ本当につながるのか?と堂々回りになりがちです。その意味で、人事の戦略や施策が業績・パフォーマンスにつながっているか否か、という尺度は「本当にそうだな」と納得感がありましたね。
− 仕事に対する姿勢や進め方に関して何か変化はありましたか?
はい、各回の資料をたびたび読み返しながら、考えをまとめたり、ミーティングに臨んでだりしています。Dynamic HRMの図式は特に見返しますね。
他にも、1on1について社内Mgr向けにワークショップを企画した際には、個人的に松澤さんに相談させていただき、なんのために1on1を行うのか・良い1on1とはどのようなものか等、講座で学んだパフォーマンスマネジメントの話を組み込んだりしました。
総じて、いままで「なんとなく感覚的に理解していたけど、言葉で説明しづらいこと」を、背景や本質を捉えたうえで言語化し、伝えられるようになったと思います。
人の成長をとっても垂直的発達・水平的発達どちらの話をしているのか、私たちの会社は教育の文化として”ラーニングカルチャー”・”トレーニングカルチャー”どちらを目指すのか、研修だけで人は育たないという原則のなかで人事は何を支援するのか等、頭の中で整理できるようになりました。
個人的にも、社外メンター活動を新しく始めてみるつもりです。
− HRBP養成講座の魅力は何でしょうか。
まず、講座のプログラム設計のされ方です。一人の人材開発担当としてとても参考になりました。研修は、事後に満足度のアンケートを取って終わり、ということがよくあると思うのですが、研修の中にアウトプットしたり議論したりする機会があり、事後にも小テストや考えをまとめてコメントする機会があり、講師からのフィードバックや情報提供がある。そのプロセスのおかげで学んだ内容が身につきましたし、私自身がプログラム設計を行う際にも早速参考にしています。笑
また、私の参加動機でもありましたが、人事を俯瞰して体系的・網羅的に学べた、と実際に参加してみて感じます。各機能別に原理原則を学ぶことができましたので、自分が直接かかわっていない領域においても議論する土台が出来ました。
それに加えて社外の方との議論があり、今まで私のなかでは常識だった自社の人事、いわば”リコー流人事”を相対化でき、現在地点を認識できました。日々の業務でもベンチマークを置いたり最先端の制度や施策を取り入れたりするなかで自社のポジションを考える機会があるのですが、「今、私たちはどこにいて、どこへ向かおうとしているのか」を相対的に理解すること。この、重要だけれどなかなか難しいことを、この3ヶ月間で学ぶことができたと実感しています。
人事を「体系的」に、各機能を「線」で結べる。
− 最後に、HRBP養成講座をご検討されている皆様にメッセージをお願いします。
この講座のいいところは、フルオンラインという受講しやすさでありながら、人事全体を体系的に学べること、そして人事の各領域とそれぞれのつながりまでを理解できる点だと思います。役職に関係なく、人事戦略・人材開発・組織開発・評価・採用・労務など・・・それぞれの領域で日々奮闘されている皆さんに学びが大きいかと思います。
「HRの原理原則」に少しでも興味を持った方は、ぜひ一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。