HRBP養成講座受講者インタビュー:株式会社CARTA HOLDINGS 小林 直道さん - 株式会社Every

Profile

株式会社CARTA HOLDINGS HR本部 小林 直道さん

大学卒業後、ITベンチャーの会社に入社。広告営業職やディレクター職などを経て、部長職を経験。その後アドテクノロジー企業で商品開発、営業管理職を経験後、兼ねてより関心の高かったHR職への転向を決意。マーケティングDX企業でHR部門の執行役員として、組織開発・配置・採用・育成・評価など人事領域全般を担当。2023年4月より、株式会社CARTA HOLDINGSで育成責任者として人材育成や関連する人事制度設計を携わる。

※経歴はインタビュー時点のものです。


HRが何の為に存在し、何を軸に持ち、
どこへ向かうべきかの答えを見つけたかった

− 受講のきっかけを教えてください。

自身が元々事業畑の出身ということで、事業を伸ばすことに強い関心を持っていました。しかし、HRとして日々多方面に関与し目まぐるしく日々が過ぎていく中で、

・「今取り組んでいることはいったい事業や組織成長の何に貢献しているのだろう?」

・「HRの施策の上流にある思想にこそ企業の色が出るが、それは一体何に準拠して定められていくべきなんだろう?」

・「自分たちはいったい誰の願い、何の成果にフォーカスすべきなんだろう?」

 という疑問を抱える様になり、自身の中で人間や組織、HRそのものを深く学び、腹に落とし込みたいという気持ちが強くなっていきました。

 HRBPという役割について、国内においてもまだまだ定義づけが十分ではなく、故に多方面からそれぞれの解釈での期待値が発生しやすい状態に課題感を持っていた中で、日常に生きる人事の役割を、もう少し体系的に科学的に、分解・整理・意義付けされたものはないかとすがる様に探していました。
そんな中でこの講座を見つけ、HRBPの概念が生まれた米国のHR研究の中に自分の探していた答えを見つけられるかもしれないと思い、強く興味を持つようになりました。

− 受講を決めた決め手を教えてください。

検討する上で、色々と調べた中で他で展開されているセミナーとの差として、

・HRBPを部分的だったりHowなどの具体的な手法ではなく、体系的にアカデミックに学ぶことができること

・参考図書や自身の理解や考えをアウトプットする機会があり、学習のサイクルが回るプログラムであること

・同じような境遇や悩みを持つ他社のHRの方々と毎回ディスカッションを通して異なる考えや施策、その結果や教訓を学べること

・休日の午前中という、平日と比べて仕事や時間にも追われにくいリラックスした環境で集中して取り組めること

・特別講演でHRの最先端を走る各社の先達の方々のお話を伺える(接点を持てる)こと

という様な要素について非常に魅力的に感じ、この講座を学んだあとの自分にワクワクする事ができた為、受講を決意しました。

「原理原則」に背中を押してもらえる学び

− 印象に残っている講義を教えてください。

Day5の「報酬とインセンティブ」の回が自分は特に面白かったです。
報酬やインセンティブなどの設計は万国共通の一元的なものではなく、その組織が置かれている外的/内的な状況や人員構成、そしてどの様に構成員に認識され行動を促したいかによって採りうるアプローチはまるで変わってきます。

例えば、全ての人に対して広く公平性を持った社会主義的な思想で報いるのか、差異や競争ありきだが努力次第でリターンの可能性も大きい資本主義的な報い方をするのかで、組織の風向きや行動が変わってきます。

また、流動性の高い奪い合いが発生する職種に対して社内の公平性を担保するのか、社外と比較した公平性を担保して報酬を定めるのかで採用やグリップも変わってきます。

こうしたHR施策の根っこに存在するのが自社に対する多面的な分析と、どの様な組織を作り行動を促したいかのまさに思想の部分が要素として大きく、こういった観点を無視して流行りや競合他社がやっている取り組みを「ガワ」だけ取り入れて行うことの危うさに気付かされた非常に学びの深い面白い講義でした。

報い方に対する考え方も、自分の中で持っていた言語化されていなかった「恐らく、きっとこういうことなんだろうな」という漠然とした思いを原理原則として言語化してもらった感じで、改めて再確認が取れ、自身の考えに背中を押してもらった感じがあったのはとてもありがたかったです。

特別講義で受ける、
先達からの刺激的な問いやエール

− HRBP養成講座の魅力を教えてください。

1つ目は、「良くデザインされたバランスの良いプログラム」という事です。
米国のアカデミックな理論や原理原則をぎゅっと濃縮させてインストールしてもらえるところが大きいですが、更に毎回学ぶ意欲を促進させてくれる様な事前学習(参考図書や参考動画)があり、講義ではメンバー同士での「学んだ上であなたはどう考える?」というディスカッションも多くありますし、毎回しっかりと習熟を図る小テストもあります。
インプットとアウトプットのバランスが非常にちょうどよく、学びが自分に積み重なっていく「よく考え抜かれたプログラム」だなと感じます。

2つ目は、終盤に行われる「特別講義」です。
三井化学株式会社の小野さん、株式会社メルカリの木下さん、AGC株式会社の井原さん、ソニーテクノクリエイト株式会社の望月さんなど、HRの先端を進まれる先達の方々のこれまでの苦節や突破した際の気概、戦略、アプローチを伺えることで自身への励みにもなりますし、歩んでこられた道のりを理解する中でHRパーソンとしての自身のキャリアの選択肢を広げることができました。
また、特別講演の中で伺った「理想を為したいなら様々なアプローチを試し、敗れたら辞任も辞さない覚悟を持ち、数年かけても実現する」という言葉や、「そのHR施策は社内にマーケティングとして刺さってる?」という言葉は目が開かされるものばかりで、非常に刺激となりました。

3つ目は、「HRでの悩みや疑問を気軽に相談できる仲間と出会えた」ことです。
受講中のディスカッションや飲み会などで語り合う中で、お互いを深く理解し合うことができました。また、日々HRの仕事をこなす中でなかなか社内にはできない悩みや相談をオフの場でも気軽に相談できる様になり、受講後も特定のテーマを持ち寄ったスピンオフのHR勉強会を行うなど会社を超えた仲間として心強く、非常に得難い関係を得ることができたと思っています。

「やるべき」、「やるべきではない」の
意思決定がシンプルに

− 受講後、受講前の変化、日々の仕事における実践を教えてください。

変化した点はシンプルに述べると、「自信」です。

原理原則を理解したことで、「説得力を支える引き出しの多さ」みたいなものが増し、それが自信に繋がったと思います。受講したフレームワーク、原理原則、世界中で起きている流れや事柄、ディスカッションで知った他社のアプローチの成功と困難などを広く多面的に理解することで、発信する際の引き出しや眺める観点が増えたと感じますし、周囲のHRの同僚やHR組織内へ還元することでチームの戦略や打ち手のアウトプットを広げられたと感じます。

また、一番最初に学んだ「Dynamic HRMの概念」を日常で強く意識する様になったのも日々の大きな変化だと思います。「今から行おうとしていることはHRで最も重要視すべきパフォーマンスやその他の採用や育成、評価にどの様に相関しているのか」を「何にどれほどのインパクトを与えるものなのか」を全体感の中で考える様になりました。
慣習や前提を疑い直すことで「人事や経営陣よがりな施策」を避ける様な確信を持てたこと、施策の意味や効力の是非を議論や意思決定に反映する様になれたことは非常に大きかったと考えています。

これからも成長し続けられる
自分になれる場所

− 最後に、HRBP養成講座をご検討されている皆様にメッセージをお願いします。

HRとして新人もベテランの方も問わず参加されるのがお勧めです。

世の人事系のセミナーや研修は、What(何をするのか)やHow(どうやるのか)にフォーカスするものが多いと思います。しかし、HRとしてはWhy(何故やるのか)を追及していて、「どう捉えて、何に向かって意思決定するのか」という上流の部分を考えることが重要だと思います。

このEvery HR Academyは、体系だった学問としてのHR理論や実例、日常業務では得られなかった知識や情報が得られますし、WhatやHowよりもWhyにフォーカスした学びが得られます。

また、我々HRはどうしても半径数mの経験則からくる我流に終始しがちですが、

  1. 体系的で普遍的な原理原則を知る
  2. トレンドや世界的な風潮などの流れを知る
  3. 仲間や先輩との繋がりの中で、自身のHR脳や感覚を磨き続けられる土壌が作れる

といった人や企業に影響を与え続けるHRパーソンとして、これからを生きる上で大事な武器を手にすることができます。

特に身構える必要性も、何かに精通していなくても大丈夫です。この米国生まれの講座内容は皆初めて学ぶものなので、好奇心と意欲だけもって参加すれば多くの実りが得られると思います。

講座や仲間との関わりを経て、私自身もですし一緒に講座を受けた周囲でも自社のHRの在り方や自身そのものの在り方を考え直す一つの分岐点の様な機会を持つに至りました。
ここで得た仲間と共にこれからも成長し刺激し合える様になったので、今後もたくさんの方が受講され、そういった繋がりの和が広がっていく事を願っています。

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