Profile
アンシス・ジャパン株式会社 人事部 王 厦さん
伝統的な日本企業(メーカー)本社の人事本部で、人材育成担当として採用や育成企画を5年ほど経験。その後、ビジネス理解を深めるために事業会社へと配属となった際、HRBPという機能が新設され、その重要性を実感したのをきっかけに、本社に戻って企画するだけの人事でなく、もっとビジネスに寄り添った人事を目指したいと転職。今は米国企業の日本販売拠点で、ローカル人事としてemployee brandingやDI&B推進を中心に、労務関係に至るまで幅広く人事業務に関与している。
※経歴はインタビュー時点のものです。
グローバルな視点で
HRBPの役割を理解したかった
− 受講のきっかけを教えてください。
きっかけは2つあります。
1つ目は、HRBPの役割をもっと理解したいと思ったことです。前職の日本企業では人事企画として全体の仕組みづくりを行う立場でしたが、現職では、アメリカ本社で作られた仕組みをローカルにどう定着させ、ビジネスとして結果につなげるかということがミッションになります。これまで経験したことのない役割で、ローカル人事として現場にどう伴走すればいいのか、まずは「HRBP」という言葉でネット検索していたところ、Everyさんの講座を発見しました。ただその当時は転職したばかりで経験も浅く、とにかく情報収集としてメルマガ登録したり、無料セミナーに参加したりしていました。
2つ目のきっかけとなったのは、上司からEveryさんの講座を勧められたことです。転職して2年目が見えてきたタイミングで、目標設定などについて上司と会話していた際に、「HRBPとしての機能を高めていきたいなら、この講座に興味ある?」と、このHRBP養成講座を紹介され驚きました。以前からずっと気になっていた講座でしたし、現場や上司の期待に応えて、自分自身の価値を発揮するためにも、専門性を高める必要があると思い、すぐに受講を決意しました。この講座で得られる知識、アメリカ等のグローバルな人事としての考え方は、日系企業から米国企業に転職した自分にとって、有意義なものになるのではと思って参加しました。
自分の経験や課題と
向き合うことができる講座
− 印象に残っている講義を教えてください。
この講座では人事の機能を幅広く理解できるので、どれも印象的ではあったのですが、自分自身の経験と照らしあわせて印象に残ったのは2つ、「パフォーマンスマネジメント」と「人材育成とキャリアマネジメント」についてです。
「パフォーマンスマネジメント」の分野では、マネージメントから評価を受ける側としての経験はあるものの、まだ人事として取り組んだことはありませんでした。この回の講座を受けてまず、そのことに気付き、評価を行う側として、人事として、考えることができたのはとても良い体験でした。また、心理的安全性といったキーワードは、前職の日本企業ではほとんど話題になることがありませんでしたが、現職の米国企業では、非常に重視しています。それがなぜ必要なのかを理解できたことで、自分から積極的に現場マネージャーにも展開したいと思えるようになりました。
「人材育成とキャリマネジメント」は、前職でも経験したことのある分野でしたが、研修や仕組み、パイプライン構築での経験が多く、キャリアプランニングについてはあまり意識できていなかったことに気付くことができました。仕組みを作った後、それらが社員の成長にどうつながるのか、本当に効果があるのか、もともと何を目的に実施されたのかなど、もっと考えるべきだと思えることがいくつも見つかりました。
講座の学びがすぐに
やるべきことや気づきにつながる
−HRBP養成講座の魅力を教えてください。
まずは学びがすぐに、やるべきことや気づきにつながるのが、この講座の魅力だと思います。日系企業から米国企業に転職した自分にとっては、この講座で人事としての原理原則を学ぶことが、自社をより深く理解することに繋がりました。正直、私はまだ転職したばかりだったので、これは非常に大きな収穫でした。学びの中には、日本内外の様々な考え方があり、また受講生の皆さんとのディスカッションを通じて、自社にはすでにしっかりした仕組みがあり、自分が理解できていないだけだったということにも気づくことができました。すると、何をすべきかが自然と見えてきて、今後の自分自身の課題として考えることができました。
2つ目は、他企業の人事関係者とのネットワークを持てることです。企業規模や業種は異なりますが、同じ人事同士、悩みや知見を共有しあえる素晴らしいネットワークだと思います。何より自分の悩みを理解してもらえるのがすごく嬉しかったですね。自分では未経験の分野でも、すでに経験している方に話を聞けたりして、参考にもなり、目標にもなる、素敵な方々と巡り合うことができました。
もう一つ、こういった長期開催の研修をどうハンドリングするかも勉強になりました。各講義前後のフォローなど、学びを継続し深める仕組みがこの講座にはたくさんあり、自分自身が社内で研修を企画する際にも、非常に勉強になるなと思って参加していました。
− 受講後、受講前の変化、日々の仕事における実践を教えてください。
大きく分けて3つあると思っています。
1つ目は、確実に人事としての知識量を増やすことができ、自信につながりました。この講座で学ぶ原理原則に賞味期限はないと感じていて、この学びに価値をつけるためには、今後も繰り返し復習しなければならないし、そうすることで新たな発見が出てくると思っています。自分のステージや環境が変わったとしても、立ち返って考えることができる非常に価値のある学びを得られました。
2つ目は、人事として何をすべきか、自分は何がしたいかを考えられるようになりました。原理原則を持って自分自身の経験を振り返ることで、できたこと、できなかったこと、なぜあの時あんなに苦労したのか?または、まだ経験できていないこと、などを知ることができました。さらに、自社の仕組みをより理解することで、自分は何をすべきか、どうしたいかと考えられ、これからの人事としてのキャリアが楽しみになりました。
3つ目は、自分の学びを積極的に周りに発信できていることです。人事部内での勉強会では、自分の担当外の分野も実施することで、知識の共有だけでなく、お互いに意見を出し合い考える時間を持つことができ、それはとても大事なことだなと感じています。また、現場のマネージャーまで巻き込んだ勉強会も予定しています。この講座の「人材育成とキャリアプランニング」で学んだ原理原則をもとに、ディスカッションする場を企画しているところです。
一度に全てを受け止めるのではなく
何度も振り返れる知識を得る
− 最後に、HRBP養成講座をご検討されている皆様にメッセージをお願いします。
一度に全てを理解し、ものにしようと力を入れ過ぎずに参加することをお勧めします。正直、この講座の情報と知識の量は非常に多いです。一度に100%理解することはあまり現実的ではないように思います。また、ここで得る原理原則の全てが、すぐに自社の課題解決に応用できるわけではないかもしれません。大事なのは、ここでの学びを必要なタイミングで取捨選択できるようになることです。私自身もまだ人事としての経験は浅く、これからまた振り返りの中で、新たな気づきを得ていけたらと思っています。私と同じように人事経験の浅い方、もしくは人事の方でなくでも、今後困ったときに振り返ることができる知識を得ると思って、気軽に受けてみてもいいのではと思います!