Profile
株式会社アネシス 経営戦略室 経営企画部長 兼 HR部長 石田 浩幸さん
新卒で教育系NPOに参画した後、フリーランスのカメラマン&デザイナーや人材紹介会社のマーケティング担当、新規事業の立ち上げを経験。その後、出身地の熊本県へUターンし、住宅メーカーの経営企画担当やマーケティング責任者を担った後、自らHR部門の立ち上げを行い、現在は経営企画とHR領域の責任者として、事業計画や予算策定、進捗管理、人事戦略・人事制度策定(評価・報酬)などを統括している。
※経歴はインタビュー時点のものです。
様々な課題に対して
全体的にどう考え、行動すべきか
− 受講の動機やきっかけを教えてください。なぜ受講を決意されたのでしょうか。
Uターンで今の会社に入社したのですが、入社当初はHR部門がなく、必要最低限の機能を総務部門が兼務しているような状態でした。入社して数年経った頃、良いプロダクトを創り出すのはやはり“人”だという想いから、HR部門の立ち上げを志願しました。ただ、これまでのキャリア経験からHRの役割についてなんとなくイメージはできていたものの、HR職としての経験は全くありませんでした。まずは知識が必要ということで、評価制度や報酬といった分野の単発の研修をたくさん受けていたのですが、HRの領域は広くて、調べれば調べるほど、点ばかりが増えていってるようで不安になっていました。現場や経営から届く様々な課題感、文化として定着してしまい認識すらされていない問題点などに対して、ある一分野の知識ではなく、全体的にどう考え、行動すべきかが知りたかったのだと思います。
そんな中、ある研修でこの講座のOBの方と話す機会があり、こちらのHRBP養成講座の情報をもらうことができました。ポッドキャスト等でHRBPの重要性を知り、もっと学びたい、HR分野全体を体系的に理解したいと思っていたところだったので、すぐにこの講座について調べました。HPで講座内容の重厚さと、講師の方々の経歴や過去参加者のインタビューなどを拝見し、これは参加しなくてはと思い、すぐに受講を決めました。
実践に落とし込める体系図と
コミュニケーションの重要性
− 4ヶ月を通じて、講座の中で特に印象に残っているテーマはありますか。
どれも印象に残っていますが、「Strategic HRM」「Dynamic HRM」の概念と体系図が一番印象に残っています。人事戦略はMVVや経営戦略に基づくという、俯瞰的に可視化された体系図がわかりやすく、すぐに自社の戦略・施策に落とし込むことができました。それをそのまま社内にも共有でき、良い反応をもらっています。特に若い社員の反応はポジティブで、目的意識が持てるようになったと感じています。
また、人材育成とキャリアマネジメントの回の「キャリアマネジメントの原則と必要なもの」も印象深かったです。当社内にもジョブローテや異動希望など、横のキャリアパスはあるのですが、JDやタレントデータベースが揃っておらず、移動先の研修も部署任せのため、社員の成長したいという意欲を引き出すキャリア転換ができていない状態でした。この回の学びで、社員自身の動機づけを行うためにキャリアを支える会社の仕組みが重要だと気付きました。
それから、特別講師の一柳さんからあった「人事が直接与えられるのは動機づけのための支援」というお話もとても良かったです。自身がついつい戦略を考えたり、机上で仕事をしがちなタイプなので、社員とのコミュニケーション量や質も大事にしていかなければと気付くことができました。信頼される行動家になるために、単なる情報伝達ではなく、伝える力も身に着けていきたいと思っています。
学びからの実践力と受講者仲間との関係性
− 講座の魅力について。魅力に感じた点は何でしょうか?
まずは、学んだ内容をすぐに実践できることです。世界のトレンドも押さえつつ、原理原則を軸にしているので、ある程度の規模以上ならどんな企業でも実践できる効果的な内容だと感じました。昨年、人事制度を変えたのですが、そのときにもこの講座で学んだ理論を活用させてもらいました。特に目的、ポリシーを考えるときには原理原則がとても役立つと思います。
受講者同士のディスカッションも魅力でした。一緒に受講されていた方々は、グローバルな大企業やベンチャーなど幅広い業種・バックグラウンドで活躍されています。自身よりHR経験も多く、スキルも高い参加者の皆さんと意見交換できたことが、HRの知識だけでなく、ビジネスマンとしての学びや成長につながったと感じています。企業規模や業種に関わらず、各社の課題にも通じるものがあり、同じ悩みを抱える仲間のような関係性を持てたことが、とても嬉しかったです。
− 受講前と受講後で、ご自分の知識力や考え方、マインドなどに変化は
ありましたでしょうか。具体的な変化がありましたら教えてください。
知識量が圧倒的に増えたことで、経営陣へ人事戦略や人事制度を提案していく際、すべてが成果やビジョンにつながっているという説明ができるようになりました。自身も納得感を持って提案することができています。知識に想いを乗せて伝える感覚で、ちょうど講座の期間中に人事制度(評価制度・報酬制度)を改定していたので、前提となる方針説明にとても役立ちました。プレゼン後、経営陣からも「素晴らしかった」というコメントをいただいています。また、事業の成長にはHRMが重要であると感じ、今後もHR領域で自身のキャリアを深めていきたいと思うようになりました。
地方の中小企業HRにもお勧めしたい講座
− 最後に、HRBP養成講座をご検討されている皆様にメッセージをお願いします。
HR職の方、HR領域に興味のある方には確実に役に立つ講座なので、ぜひ受講してみてください。自身の今後のキャリアにも必ず良い影響を与えてくれるはずです。私ももう一度受講したいくらいで、学びを風化させないために、このHRBP養成講座のe-Learning Platformへの参加も検討しています。
また、私と同じように地方の中小企業でHRをされている方にもお勧めです。大企業だとHRの中でも担当領域が分かれていることが多いと思いますが、企業規模が小さくなるとHRが担う課題感は大きく、責任範囲も広くなってきます。そんな方にとって、HRの役割を一から全体的に学べるこの講座は最適だと思います。